そば好きの小窓

2章、美味いそばのためのそば粉

そばの品種

  • 縄文時代晩期から栽培されていたと言われる日本列島のそばやそばの原種について語るとなると、何冊かの本が必要です。
    ここでは、美味いそばに論点を絞って話を進めたいと思います。
  • 年により変動がありますが、日本で消費されるそば粉の約3/4は外国産で、国産の約1/2は「北ワセ」という改良品種の系統の北海道産です。
    北海道は、押しも押されぬ一大産地です。
    (北海道が不作ですと、国産そば粉の値が跳ね上がりますし、商品への外国産そばの混入率もアップします)
  • 改良品種の代表格が「信濃1号」です。
    全国の気候・風土に適合し効率よく栽培できる汎用性を持っており、広く栽培されています。
    (信濃1号は汎用性についての評価がある一方で、信州そばを平凡化したとの見方もあります)
  • 「北ワセ」「信濃1号」等の改良品種については、市販の国産そば粉の大半を占めますが、「味としては中の上どまり」との評価が一部にあり、「超粗挽き粉」にすることで香りや風味を増す工夫もされています。
  • かつて、日本列島には(深い)谷筋ごとに(在来)そば品種があると言われた時代がありましたが、今では交雑が重なり「在来種」と言いうるものは極めて少ないと言われています。
  • その上、在来種そばの全てが美味いわけでは決してありません。
    食味テストをしてみて、やはりローカルにとどまるものもあります。
    人が手を加えないことによる穀類としての「力強さ」と「美味さ」の両方を持つ「全国区」のそばは、そう多くはありません。

美味いそば粉と製粉

美味いそば粉

厳密に学術上正しいとの自信はありません(交雑が全くないとの自信がないの意です)が、在来種そばとして「美味い」といえるものは、

  • 会津在来種
  • 戸隠在来種
  • 越前在来種

などと考えます。

一方、品種改良では選別過程で手を加え過ぎたため「個性と野趣が薄められたもの」もあります。

私たちの「奥飛騨朴念そば」(品種登録名=飛越1号)は、在来種の「飛騨宮川在来種」「越前在来種」を1回だけ交配し更に手を加えることはせず育成していますが、父母種の良さが両方とも発現してくれており、「美味いそば」の一つに挙げていただけるものと思います。

製粉方法

石臼製粉とロール製粉の2種がありますが、大きな違いは次のとおりです。

製粉方法
  石臼製粉 ロール製粉
粒度分布
  • 大きい(広い)
  • 大小の粒が混じる
  • 小さい(狭い)
  • 粒が揃う
粒の形状 丸みを持つ 機械カットのため平たい
粉の特質 しっとり感がある サラサラしている
水分量 適量 石臼製粉より水分が少ない
製麺時のつながり 大小の粒が隙間を埋めあってつながりが良くなる 石臼製粉より見劣りする

昨今、玩具のような可愛い石臼製粉機で製粉され、「自家製粉」の看板を掲げておられるお店もありますが、自ら石臼の目立てが出来ないといけませんし、上表・石臼製粉欄の諸内容をクリアー出来ずに看板を掲げても、我流や自己満足に終わり兼ねません。
ここは、何十年もの経験を積んだ石臼製粉のプロ(できたら親しくなり自分の製粉要望を聞いてもらうのがベスト)に任せるのが無難だと思われますが、いかがでしょう。

そば好きの小窓
1章 上手いと美味いと旨い
2章 美味いそばのためのそば粉
3章 旨いそばつゆと材料
4章 最後は“美味いそば粉”と“旨いそばつゆ”
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