そば好きの小窓

3章、旨いそばつゆと材料

そばつゆの簡単な歴史

  • そばの歴史は、(切り)そばの歴史とそばつゆの歴史が車の両輪としてありますが、ここではそばつゆの歴史を簡単におさらいしたいと思います。
  • そばつゆは、江戸時代「味噌+水を煮てこしたものまたはこしたもの+鰹節だし」からスタートしますが、やがて地元産の濃口しょうゆの普及で濃口しょうゆが味噌にとって代わり、味醂・砂糖も加わり、19世紀始めには現在のそばつゆの原型ができたと言われています。
    更に、つけ汁用の「辛汁(からじる)」とかけ汁用の「甘汁(あまじる)」に分化していきます。

私たちのそばつゆ

私たちは、3種類のそばのそばつゆを作り分けしています。

  • ざるそば・・・濃口しょうゆのみで作る江戸伝統の辛汁(ただし昆布は必ず使用する)
  • おろしそば・・・淡口しょうゆで作る上方風の甘汁
  • かけそば・・・淡口しょうゆで作る江戸風の甘汁

詳細はホームページ「そばを食べる」をご覧ください。

ざるそばつゆの材料(をお教えします)

ざるそばつゆの材料
しょうゆ

本醸造濃口しょうゆ2種をブレンド

  • チョーコー醤油(長崎市)「超特選むらさき」
    (日本で最初に醤油を輸出した会社の流れをくむ)
  • 入正醤油(千葉県東庄町)「超特選澪つくし」
    (NHK朝ドラ「澪つくし」の舞台の会社)
かつを節

かつを節を2種ブレンド

  • 本枯れかつを本節(亀節は使用せず)
  • 宗田節
昆布 天然羅臼昆布
みりん 白扇酒造(岐阜県中川辺町)「3年熟成本みりん」

千島海流(寒流)系の天然塩

  • 「伊達の旨塩」(宮城県石巻市) 津波にも大丈夫でした
砂糖 黄ザラ

ざるそばつゆの作り方

本がえし
しょうゆ+みりん+砂糖で「本がえし」を作り保存します。
(本がえしは加熱したもので、常温で長期保存できますが、冷蔵庫保存の方がお勧めです)
出汁(だし)
昆布を一晩水出しして取り出し、加熱後かつを節を入れて出汁を取ります。
塩は火を止める直前に加えます。
そばつゆ
出汁に本がえしを加え加熱(85℃前後まで それ以上は不可)します。
一旦冷ましてから再火入れをすると、雑菌を(ほぼ)100%殺菌できるとともに、つゆの旨味も増します。
しょうゆ
  • そば(粉)が、在来種系で力強さを持つ良質なものであれば、そば対つゆの力関係でしょうゆに力負けしませんので、濃口しょうゆのみで作る力強く伝統的なざるそばつゆをお勧めします。
    (濃口といっても「たまり系のもの」は不適です)
  • しょうゆも東西で原料も製法も違いますので、補完するようブレンドするのがベストです。
  • 余談になりますが、濃口しょうゆの東西の旨さの違いについて製造の現場責任者とお話ししたことがあります。

詰まるところ、原料や製法の違いはあるものの、蔵に棲むカビの違いとしか言いようがないという結論になりました。
私たちが東西2種のしょうゆをブレンドするのは、「東西のカビ」にそばつゆ作りに参画してもらっていることに他なりません。

かつを節
  • 本枯れ本節の厚削りのものを使用します。(亀節は使用しません)
  • 宗田節については、昆布使用によって味が優しくなり過ぎるため、それを補完する宗田節を使用します。

これにより、江戸風の「本節+亀節」だしには出せない味が可能になります

昆布
  • 江戸に幕府が誕生したからといって、北前船により上方(かみがた)に集まる昆布等の物資の流通ルートが変わるわけではなく、江戸は昆布とは縁遠い地域でした。
  • 江戸に発達するそば文化のつゆに昆布が使われなかったのは、そうした事情があったからであり、江戸食文化に総じて「昆布音痴」の側面があるのは否めません。
  • 「昆布など使わなくてもウメエんだ」と強がる向きもありますが、折角世界が認める「umami」ですので、昆布使用により更に味のアップを図りたいものだと思います。
  • ざるそばつゆには、濃口しょうゆという力強いものを使用しますので、和食の華「おすいもの」に向く、優しい味の「利尻昆布」や万能味の「真昆布」ではなく、力強い「羅臼昆布」を使います。 (煮物用の「日高昆布」はだし用には使用しません)
みりん
  • 多くのみりん遍歴から、白扇酒造の「3年熟成本みりん」に辿り着きました。
    (現在では、料理家の推薦者も数多くおられます)
  • みりんの原料である「もち米」ですが、安さを求め多くのメーカーで使われている中国産はお勧めできません。
  • 黒潮・対馬暖流・千島寒流では、塩の味に明らかな違いがあります。
  • 「塩ソムリエ」といわれる方々に多くのヒントをいただきながら、私たちは次のように塩を使い分けることにしました。
つゆ
ざるそばつゆ キリリとした味に仕上げるために「寒流系の塩」
おろしそばつゆ まったりした味に仕上げるために「対馬暖流の塩」
かけそばつゆ なつかしい味に仕上げるために「対馬暖流の塩」

対馬暖流の塩としては、「わじまの海塩」(石川県輪島市)がお勧めです。黒潮系の塩にはない穏やかで幅広い旨味に富み、和食の良きパートナーです。

砂糖
  • そばつゆに「和三盆」を使用したら、さぞかし美味いだろうと思われるかもしれませんが、多くの食味テストの結果、和三盆・グラニュー糖・精製白砂糖ではなく、黄ザラで十分との結論に達しました。
  • 理由としては、甘味として上質なみりんを使用しているため、甘味としての砂糖の役割が大きくないことに起因するものと思われます。
そば好きの小窓
1章 上手いと美味いと旨い
2章 美味いそばのためのそば粉
3章 旨いそばつゆと材料
4章 最後は“美味いそば粉”と“旨いそばつゆ”
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